TOP > マンガ新聞レビュー部 > 生きている価値すらない男に対しては殺人さえも正当化...

法治国家である以上“罪を犯した者は法によって裁かれる”べきであることは自明の理であるが、
杓子定規的ではなく、そのバックボーンを重視すべき事案も存在するのも確かである。

 

では本作は“理性と感情”どちらで判断すべきなのでしょうか。 

 

あしたのジロー(上) (アクションコミックス)
著者:荒木 光
出版社:双葉社
販売日:2018-04-28
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 あらすじ

傷害罪での逮捕歴はあるが更生し、その実直さと非凡なボクシングの才能で栄光の道を歩みだした青年 ジロー
連続強姦致死を犯しておきながら、取り調べでは否認した挙句その場から逃亡した男 鈴木

鈴木は逃亡の末、ジローの思い人である清子を強姦、その光景に出くわしたジローは激情にかられ鈴木をなぐり殺してしまう。
“過去に罪を犯した”二人が何の因果か、加害者と被害者として結びついたところから物語は始まる。

善悪の天秤を傾けるものとは

世間一般的に殺されて当然のクズである男によって、大切な人間を傷つけられたが故の殺人であるため、情状酌量は認められて然るべきであろう。
しかしジローは“プロボクサーであり過去に傷害事件を引き起こした”人間である。
激情にかられ忘我していたとはいえ、殺してしまう前にその手を止めることはできなかったのであろうか。

 

ではボクサーでなければ?

 

罪を犯した人間でなければ?

 

生きていても何れ死刑となる男を殺したに過ぎず、法によってこの事件を裁くことは

未来ある一人の青年の可能性をただ潰す結果になるのでは?

 

そもそも情状酌量の線引きはどこにあるのだろうか。

最後に

全てを隠蔽しようとしたジローと清子ですが、徐々に事件は明るみになります。

 

事件を追ううちに、鈴木を取り逃がした負い目と、ジローという人間にふれ「真相を明るみにすることが本当に正しいことなのか」懊悩する警察。

清子の身に起こったさらなる不幸に直面しつつ、己の道を進もうとするジロー。

追う者と追われる者双方が“善悪とはなにか”に揺さぶられる姿は、読者の理性と感情を激しく揺さぶり続けます。
想像を絶する展開の連続、そして辿り着いた結末は賛否分かれるところです。

帯コメントにあるように 心えぐる壮絶ドラマ です。

 

あしたのジロー(下) (アクションコミックス)
著者:荒木 光
出版社:双葉社
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