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日本語ラップマンガ、改正開始!

 

『日ポン語ラップの美ー子ちゃん』『ラッパーに噛まれたらラッパーになる漫画』『ライミングマン』…。
マンガ業界にも確かに訪れて来た日本語ラップのムーブメント。

 

日本語ラップという音楽自体の歴史は決して浅くないし、マンガにラッパーがキャラクターとして登場するケースも確かにあった。しかしそのほとんどがグラサンをかけ手を前に出しながら「YO!YO!」とか言ってるイタい奴、みたいな扱いだったと思う。

 

日本語ラップファンから見る"正しいラッパー"の姿が描かれることは少なく「こうじゃない、こうじゃない…」と歯がゆい思いをしていた同士も多かったのではないだろうか。

 

(強いて挙げるなら『BECK』で千葉がフリースタイルバトルのイベントに出て武者修行するシーンくらいだろうか)

 

しかし最近では、日本語ラップ文化のディープな部分やアツい部分をガッツリ描いている作品が増え、本当にいい時代になったと思う。これを"日本語ラップマンガ改正開始"と言わずしてなんと言おうか!

 

その中でも、今回紹介したいのが曽田正人の新作『Change!』だ。

 

Change!(1) (KCデラックス 月刊少年マガジン)
著者:曽田 正人
出版社:講談社
販売日:2018-03-16
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マンガからラップが聴こえてくる作品!

 

レビュアーの松山洋さんが『BLUE GIANT』をマンガの中から音が聞こえてくる作品と評していて、とても素敵な表現だと思ったが、『Change!』においては本当に脳内で作中のラップを再生することが可能だ。

 

音楽マンガは音をどうマンガで表現するかの戦いだと思う。しかしそれでいうと、日本語ラップはあらゆる音楽のジャンルの中でも、マンガで表現するのに最も適したジャンルだというのを声を大にして言いたい。

 

小節の切れ目をフキダシの切れ目で表現し、"韻"を用いることで、文面だけでも言葉のグルーヴ感が表現出来る。さらに作中では今バトルで使われているビートが「蝶と蜂」である、という注釈が入っていたり(SOUL SCREAMの日本語ラップクラシック!)、サイファーのシーンではTOKONA-Xの曲をYoutubeで流しながら、今何小節目のラップをしているかがご丁寧にフキダシに数字で書かれている。

 

しおりがラップに慣れていないことで小節のカウントが出来ず、ついつい11小節もラップしてしまうという絶妙なニュアンスも、このフキダシに何小節目か番号を振ることで表現が出来ているのだ。

 

これらは全て作中にしか登場しない完全にオリジナルなラップであるにも関わらず、登場人物達が今一体どんなラップをしているのかが手に取るように分かり、それこそ一線で活躍する卓越したフリースタイラー達であれば、そのシーンのラップを見事に"完全再現"出来るであろう。

 

これこそが、日本語ラップというジャンルだからこそ出来る、マンガでの音楽の表現だ。

 

固すぎる韻の数々!

 

文字数の多い単語や長い文章でも、母音をキッチリ合わせて韻を踏むことを「韻が固い」と言う。日本語ラップでは韻が固いことが好まれる傾向にあるが、この作品でもその拘りが存分に感じられる。

 

・"公開処刑"の時間だぜ/"どうだい時計"の止まる瞬間

 

・俺の"マイクロフォン" "ナイフ5本"

 

などの固い韻の数々は、押韻に拘っていないと中々出てこない言葉選びだ。

 

それもそのはず。『Change!』には国内でも最大級の規模を誇るラップバトルのイベント「戦極MCBATTLE」が取材に全面協力しているというのだから、そのリリックやライミングの質は折り紙つきだ。

 

ストーリーが気になる、登場人物達をもっと見ていたい、といった作品は数々あるけれど、"次にどんなライミングやパンチラインが飛び出すか"が楽しみになるマンガは、これまでに出会ったことがなかった。

 

そして、そうした今までずっと待ち望んでいた作品を、もうすぐデビュー30周年を迎える大御所の曽田正人が描いているというこの事実に、興奮を禁じ得ない。

 

MCしおりんの物語はまだまだこれから。サガ コンティニュー!

 

文:エンドウヒロユキ(@PAGSSIORIO)

 

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著者:曽田 正人
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