TOP > マンガ新聞レビュー部 > 猫を見つける、ビールを飲む、谷根千を散歩する『ブラ...

猫を見つける、ビールを飲む、谷根千を散歩する『ブラガール』
『ブラガール』©うめ(小沢高広・妹尾朝子)2018

散歩のテレビ番組が賑やかである。

 

『ブラタモリ』や『鶴瓶の家族に乾杯』、高田純次『じゅん散歩』などが有名だけれども、数えたらキリがない。僕が好きなのは『夜の巷を徘徊する』というマツコ・デラックスさんの番組。都会生活者は自由な分、孤独だけれども、マツコさんの都会生活者としての孤独みたいなものが画面から感じられる。それにしても、なぜ散歩がそれほどコンテンツとして人気なのか。

谷根千の名所:夕焼けだんだん

『おもたせしました』では、美味しいものを届けたいという思いで「歩き回る」主人公を描いたうめ先生が、散歩や地域の魅力をテーマにして描いたマンガが、今回紹介する新作『ブラガール』になる。主人公のアルコとメグルが歩くのは「谷根千」。文京区から台東区へいたる、『散歩の達人』に人気のエリアだ。

 

ただ、この作品の面白いところは、下調べを完璧にこなした『散歩の達人』的な目的性のなかにあるのではない。それは、買うものを決めないでふらりと入った書店のなかを歩くのに似ているかもしれない。ふらふらと歩きながら見つけた店や本は、本来、情報をもって探しているものがある人にとっては目には入っていても意識することができない対象である。偶然見つけたものは、中に入ったり手にとったりして初めてじぶんにとっての価値を判断できる。

 

糸井重里さんが、「人は偶然に素晴らしいものに出会いたがっている」という文章を書いていた。伊坂幸太郎さんは「ハッピーエンドは実際の社会では希少だからこそ、物語はハッピーエンドにする」というようなことを話していた。散歩にはそういう「Accidental Happiness」を求めて歩く楽しみというのがある。

 

でもこうしてふらふらと歩いていて、僕らが知るのは、何か情報をもっているということではなく、何を求めるかという好奇心の大きさが、「面白いもの」に出会える最大の要因だということ。

 

人生を変える出会いはいつも偶然・・・・だと思いませんか?というわけで、うめ『ブラガール』は下記のサイトで無料で読めます。これ読んで、谷根千をメンチカツ頬張りながら歩くのどうでしょう。

 

サンズハウス
サンズハウスHP

 

おもたせしました。 1巻 (バンチコミックス)
著者:うめ
出版社:新潮社
販売日:2017-04-08
  • Amazon
  • Amazon

 

おもたせしました。 2巻 (バンチコミックス)
著者:うめ
出版社:新潮社
販売日:2017-10-07
  • Amazon
  • Amazon

この記事に類似する記事

▶マンガがお得に買えちゃう情報満載!

人気のコメント

新着コメント

ログインして
すべての人気のコメントを見る

ご自身のTwitter、Facebookにも同時に投稿できます。

《マンガ新聞》公式レビュアーの方はログイン
 ※新規ゲストのログイン機能は準備中となります

利用開始をもって
《利用規約》《個人情報の取扱について》
同意したものとみなします。
ログインメニューに戻る
ログインメニューに戻る
パスワードを忘れた方は
《パスワード再設定》を行って下さい。
ログインメニューに戻る