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体を重ねても、拭えない記憶。狂気が少年たちを追い詰める『骨が腐るまで』(全7巻)が最高に面白い!

凄い漫画が出た。 

 

初めて読んだ時、心からそう思った。  

主人公・信太郎はどこにでもいるような高校生に見える。

 

しかし彼と、4人の友人たちは、ある共通の秘密を抱えていた。

それは、決して人には言えない秘密で、彼らはずっとそれを隠し続けてきた。

 

 

©内海八重/講談社
 

そう、彼らは人を殺していたのだ。

可愛らしい少女が髑髏を抱いている表紙から、ある程度察していたが、まさかここまで生々しいとは。

 

この死体は、とある人物の親だ。

彼らは、当時虐待を受けていたある人物を守るために、その父親を殺害したのだった。

 

それは、今も彼らの心の中に影を落としている。

人を殺した感触を、彼らは忘れられずにいるのだ。

 

本作は彼らがその出来事を乗り越える物語……そんな風に思っていた。 しかし、この物語はその程度では罪を許してくれないのだ。
 

ある日、彼らが隠した罪が、暴かれることとなる。 隠した遺体が消えたのだ。 そして代わりに残されていた見知らぬ携帯電話の着信を取ったその時から、地獄が始まる。

 

死体を奪った犯人から漂う、狂気。

それでも、5人の少年少女たちは要求を飲まざるを得ない。

しかし、その要求も、想像を遥かに超えた狂気に満ちたものだった。

 

指定されて赴いた部屋にあったものは、生々しい死体。

犯人はそれを、5人で解体しろと要求してきて……。

 

彼らは人を殺したことがある。

それは決して正しいことではないだろう。ただ、ある種の覚悟を彼らは持っていた。

大切なものを、守りたかった。  

だが、今回は違う。

誰かが殺したい遺体を、解体する。そこに信念などは存在しない。

それでも、彼らは従わなければならない。

自分たちの罪を、白日の下に晒すことなど、できないのだから。

 

 

©内海八重/講談社
 

 

この漫画を読み進めていくと、狂気が満ちていくのが分かる。

 

まともな感性では、生き残れない地獄。

壊れそうになる心を、何とか繋ぎ止めているのが、痛々しいほどに伝わってくる。

 

忘れたい。

だけど、罪は消えてくれない。

残酷なくらいに生々しく、その感触は残っている。

 

忘れたい。

死体を解体にした時の、あの

 

骨をノコギリで切断した音を。

 

 

©内海八重/講談社
 

 

体を重ねて、一時だけでも忘れられればよかったのかもしれない。

 

しかし、知っているのだ。

5年前に人を殺した時、たとえ誰かと体を重ねてもその記憶が拭えないことを。

 

……いやあ、もうね、無我夢中で読んでしまった。

何なんだこの漫画は、面白すぎる!  

エログロというよりはもう少しソフトだが、それでも刺激的なシーンが非常多い。

 

彼らの秘密を暴いた人物は誰か。

また、彼ら5人の関係は一体どうなっていくのか。

 

気になるシーンしかない。

全7巻で読みやすいので、激しくおすすめしたい漫画です。

 

(レビュアー:船越)

 
骨が腐るまで(1) (講談社コミックス)
著者:内海 八重 出版社:講談社 販売日:2016-10-07