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あの頃のコロコロは許容範囲が広かった。好きな女子と素手で殴りあい。男意気満載の『あまいぞ!男吾』を読んで当時を偲ぶ。

1986年。

当時、私は小学生だった。

分厚いコロコロコミックを両手でわっしとつかみ読みふけるのがなんともいえない楽しみだった。

その中で一番楽しみにしていた連載が『あまいぞ!男吾』だった。

 

あまいぞ!男吾(1) (てんとう虫コミックス)
著者:Moo.念平
出版社:小学館
販売日:2013-02-01
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ケンカばかりに明け暮れる暴れん坊な小学生の巴男吾(ともえ・だんご)。

この主人公の家族が強烈で、息子がケンカに勝って帰ってこないとむしろお仕置きをするという、家族ごとケンカ好きなとんでもない設定で。

相手との心の壁なんて平気で突き破って、体当たりコミュニケーションをするさまは痛快そのもの。

こじれた話はこぶしで解決という男意気あふれるストーリーが、がつんとくる最高にアツい青春漫画なのだ。

 

だがしかし、今のご時世じゃあもう無理なんだろうなぁ、ということがもろもろ出てくる。

 

まず大好きな女子とは素手で殴りあい。

ベアナックルファイト。

恋愛のシチュエーションでなかなか出てこない概念だが、『あまいぞ!男吾』では当然のこと。

第1話からいきなりその衝撃なシーンが登場する。

転入生で来たのは財閥のご令嬢の奥田姫子ちゃん。

男吾はウインクで不意をつかれて腕相撲で負けてしまう。

頭にきた男吾は、女子相手に「果たし状」をたたきつけて、体育館裏に呼び出す。

体育館裏、、、

このあたりは本当にノスタルジーを感じる。

なんでか体育館裏というのはそういうことをする場所だった。

そして、本気で殴り合い。

恋心の裏返しというか、男子マインドというか。

戦いの中でころんだ姫子の左ほおを「うおっ」という声をあげながら右のコブシを叩き込む男吾。

効果音は「ばちん」。

涙を流して観念する姫子。

しかし、ここからが本作の真骨頂。

「アタシ…、う、うれしいの~。」

と姫子が歓喜の涙にチェンジ。

からだ全部でぶつかってくれたのは、アナタだけなんですものォ、と。

なんつーか、もう胸アツな話で。

 

さらに男吾が学級委員長になった回では、家族で外食に行って飲酒?のようなシーンが出てきたり、まぁもう格好いい漫画なんです、これが。

 

全16巻だが、分厚いコロコロ感覚を思い出したい方は、英知出版によるめちゃめちゃ分厚い復刻版をおすすめします。

ぜひビールでも飲みながらわっしと両手でつかんで読んでいただきたい。