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猫に癒され、猫に泣く。猫がいない短編集『凪を探して』

あなたが「猫」と聞いてイメージするものは何だろうか。

 

「自由奔放さ」だろうか。

「身勝手さ」だろうか。

「可愛らしさ」だろうか。

あるいは爪とぎでボロボロになった家の柱を思い出す人もいるかもしれない。

 

今回紹介する漫画『凪を探して』は、猫がキーとなる5つのオムニバス短編集だ。

 

猫が題材なのに、猫が全く出てこない。

そんな不思議な漫画をちょっとだけ紹介していきたい。

 

 

 

 

もう一度、あの猫に会いたい――――…

 

この記事を書いている某氏は、もともとネガティブなこともあってか、

日々いろんな事に悩んでいる。人間関係もあまり上手くない。

 

作品内に登場する5人の女性も、日々の暮らしにどこか悩みを抱えている。

 

その悩みは

職場の人間関係であったり、

うまく気持ちを伝えられない自分だったり、

重大な病気の可能性を見つけてしまったり、

周りと比べて「自分なんてダメだ」と感じたり、

本当に様々だ。

 

そして彼女たちは、「こうなれたらいいのに…!」という理想や拠り所を、猫に求めている。

猫がそんな期待に応えてくれるかどうかは、わからない。

しかし、どの話も「猫」をきっかけに主人公が人と繋がり、明日への一歩を踏み出していく、そんな心温まるものとなっている。

各話の結末は、ぜひ本作を買って読んでみてほしい。

 

ここから先は個人的な話だが、キャラの心理描写を丁寧に丁寧に描いてくれる作品が自分は最高に好きだ。

 

そして『凪を探して』は、見逃してしまいそうな日常のモヤモヤにちゃんと焦点を当てて、キャラの気持ちの起承転結を描き切ってくれている。唐突だが、とても好きなタイプの作品だ。

 

おわりに

 

作者の脇田先生の繊細な目線と、センスあふれる心理描写に、しみじみと心地よい読後感が得られる本作。

猫が好きだったり、日々なんとなくモヤモヤしている人は、ぜひ読んでみてはいかがだろうか。

猫はなかなか出てきてくれないけれど。