TOP > マンガ新聞レビュー部 > 「チ○コとは何か」という問いに真摯に向き合う『それ...

「チ○コとは何か」という問いに真摯に向き合う『それはただの先輩のチンコ』

「チ○コ」、それは女性が口にするとあらゆる人がニヒルな目で見てくる単語。
「チ○コ」、それは女性にとって未知な身体の部位。
「チ○コ」、それは男性にとって安心のエネルギー体。

 

 

皆さんは普段、「チ○コ」と発することはありますか?決めつけは良くないですが、女性はほぼ無いですよね。男性でもそうないはず。

「チ○コ」は男性の体の一部なのに、口にすると下品だと言われてしまいます。しかし!そんな「チ○コ」を作品の中で連呼、いや常に言っている作品があるのです。それが…

 

 

『それはただの先輩のチンコ』

 

 

それはただの先輩のチンコ
著者:阿部洋一
出版社:太田出版
販売日:2018-07-19

 

 

『それはただの先輩のチンコ』

この作品は決して下品なんかではなく、「チ○コとは何か」という問いに対し、真摯に向き合った哲学的な内容で、終始不思議な世界観を体験できるシュールな作品です。

 

出てくる「チ○コ」の絵もデフォルメされており、ムラムラするようなエロいシーンなどはありません。

 

『それはただの先輩のチンコ』の世界では、男性の「チ○コ」は着脱が自由で、切断してもまた生えてきます。初めは衝撃的でしたが、人間は怖いもので慣れてくるんですよね。

 

 

作中に出てくる「チ○コ」の数

 

私は数えてみました。『それはただの先輩のチンコ』で、何度「チ○コ」という単語が出てくるのか。

※作中では単語の一部を○では隠されていません

 

 

結果は142回!(タイトルは省いています)

その中でも第2章がぶっちぎりの29回!

 

 

はじめは、「チ○コ、めっちゃ出てくるやん…苦笑」と思ってましたが、これまた人間は怖いもので慣れてきちゃうんですよね。第3章辺りからは何も思わなくなります。

 

180ページあるお話の中で、142回も「チ○コ」という単語が出てくる漫画はこれしかないでしょう。清々しくて素晴らしい。

 

 

「チ○コ」とは何なのか

 

作品の中である姉妹が登場し、その姉が「彼氏に浮気されたから彼氏のチ○コを切ってやった」と妹に話します。

 

しかし妹は、「浮気は下半身でするわけじゃなく頭でするもの。チ○コはただ脳の命令に従っただけ、チ○コに罪はない」と言い返します。

 

私は妹の意見に納得してしまいました。確かに「チ○コ」が無ければ体の浮気はできない。けれど浮気は体に限ったことではなく、心の揺れも立派な浮気である。浮気は浮ついた気持ちと書くので、気持ちが大(以下略)

 

 

また別のお話で、好きだった先輩が死んでしまい、先輩の「チ○コ」だけが手元に残った女子高生が幻聴で…

 

って、手元に先輩の「チ○コ」だけが残るってどんな状況だよ!と、執筆している今なら冷静にツッコめるのですが、作品を読んでいた時はそれが当たり前になっており、ツッコミをも忘れて作品に没頭していました。人間て怖(以下略)

 

 

続けます。

 

 

女子高生が幻聴で、「チ○コのない本体には子孫が残せない。チ○コはチ○コだけで子孫を残せる。さてこうなると、どっちが本体と言えるだろうか?」と聞こえてきます。

 

動揺している女子高生。けれどまた別の幻聴で、「先輩のチ○コは先輩が存在してこその“先輩のチ○コ”でしょ?」と聞こえてきます。

 

このお話を読んだ時、「チ○コ」って何なのだろうかとすごく考えさせられました。

 

 

 

さて問題です。この記事で、「チ○コ」という単語は何回出てきたでしょうか。(タイトルのは含みません)

 

 

答えは…

 

 

 

27回!

 

第2章の29回に負けた〜。でもこれだけ聞けば、皆さんも慣れたことでしょう。これで問題なく『それはただの先輩のチンコ』が読めますね!(記事中の「チ○コ」が1つ増えた)

 

 

それはただの先輩のチンコ
著者:阿部洋一
出版社:太田出版
販売日:2018-07-19